2025年高麗博物館企画展 なぜ「朝鮮人」が戦犯になったのか

2025年高麗博物館企画展

なぜ「朝鮮人」が戦犯になったのか~戦後80年を迎えてなお続く植民地主義を問う~

 

2025年5月7日(水)~9月28日(日)

皆さんは、「戦犯」という言葉から、何を連想するでしょうか?
東京裁判、あるいは東條英機でしょうか?
実は、植民地支配下の朝鮮や台湾の出身者が日本の犯した戦争犯罪のために、
「BC級戦犯」として十分な審理も受けられないまま、 有罪判決を受け、
そのうち23名の朝鮮人が処刑されたという事実はほとんど知られていません。
2025年は、韓国・朝鮮人元BC級戦犯者が生活保障・刑死者の遺骨送還・国家補償等を求めて結成した「同進会」結成から70年にあたります。この「同進会」を応援する会の全面的ご協力により、今回の展示が実現しました。
捕虜監視員という過酷な任務のために動員された時や裁判では日本人として扱われながら、戦後は一方的に日本国籍を剥奪され、謝罪も国家補償もないまま差別や苦難の中を生きた、元BC級戦犯の方々とご遺族の思いを、一人でも多くの人に伝えられればと思います。

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◎企画展関連講演会・イベント一覧◎

会場:高麗博物館・オンライン併用
時間:14:00~16:00
参加費:各回1,000円(会場参加・オンライン共)

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■7月12日(土)金井真紀さん(文筆家・イラストレーター)×姜秀一(カンスイル)さん(李鶴来さん甥)
コーディネーター大山美佐子さん(同進会を応援する会世話人)
「元戦犯者・李鶴来さんが訴え続けたこと」
17歳の時に捕虜監視員として募集に応じた李鶴来さん。泰緬鉄道建設のために使役された捕虜の看視で戦犯に問われ、死刑判決のちに懲役20年に減刑された後、2021年に96歳で亡くなられるまで仲間の名誉回復、日本政府の謝罪・補償を求め続け活動されました。その甥にあたる姜秀一さんと「死の鉄道」を呼ばれた泰緬鉄道の現地を実際に訪ねた金井真紀さんとの対談です。この興味尽きないお話会に、ぜひ、ご参加ください。同進会を応援する会世話人・大山美佐子さんのコーディネートで、さらに理解が深まります!

金井真紀さん(文筆家・イラストレーター)
・2021年に出版した安田浩一さんとの共著『戦争とバスタオル』(亜紀書房)のなかで、元BC級戦犯、李鶴来さんについて紹介する。
姜秀一(カンスイル)さん(李鶴来さん甥)

・死刑囚だった伯父・李鶴来さんの自伝『韓国人元BC級戦犯の訴え――何のために、誰のために』(2016年梨の木舎)で、その人生の詳細を知り、関西を中心に活動。
大山美佐子さん(同進会を応援する会世話人)
・1990年代より一貫して、韓国・朝鮮人BC級戦犯支援にとりくむ。李鶴来さんの自伝『韓国人元BC級戦犯の訴え―何のために、誰のために』(2016年梨の木舎)の編集を中心的に担った。

7/12会場参加はこちらをクリック
7/12オンライン参加はこちらをクリック

 

以下の講座申込は、随時アップします もう少しお待ちください

■9月6日(土)田口裕史さん(同進会を応援する会世話人)
「国家補償等請求裁判、立法運動、そして現在に問いかけるもの」
・1991年に発足した「日本の戦争責任を肩代わりさせられた韓国・朝鮮人BC級戦犯を支える会」の事務局代表をつとめる。著書に『戦後世代の戦争責任』(1996年樹花舎)。

■9月20日(土)鎌倉英也さん(NHKエクゼクティブ・ディレクター)
「趙文相(チョウ ムンサン)と李鶴来(イ ハンネ)不条理と差別の現在」
・NHKスペシャル『チョウムンサンの遺書-シンガポール・BC級戦犯裁判』(1991年)ディレクター。以降、現在まで韓国・朝鮮人BC級戦犯問題を取材。著書に『隠された「戦争」-「ノモンハン事件」の裏側』(2020年創論社)、『アレクシエーヴィチとの対話』(2021年岩波書店)ほか。

◎関連企画
7月26日(土)14時〜16時
NPO法人ホロコースト教育資料センターによるワークショップ
李鶴来さんの言葉と出会う
私の“response + ability”をめぐる対話

ギャラリートーク 
 事前申し込みは必要ありません。当日会場にお越しください。
第2回 朴來洪さん(元BC級戦犯・朴昌浩さんご子息)
6月22日(日)14:00~15:00
同進会の現会長である朴來洪さんが、鄭理恵子夫人と共に、父親である朴昌浩さんの生き方や遺された言葉、そして元戦犯者の「おじさん」たちとの思い出などを語ってくださいます。
第3回 栗原俊雄さん(毎日新聞専門記者)
7月20日(日)14:00~15:00
戦後補償問題を専門にしている毎日新聞の栗原俊雄記者は、同進会会長を務めた故・李鶴来さんと同進会について、新聞記事や書籍などで度々取り上げてきました。「記者生活の恩人」である李さんの思い出や、今後の報道などについて聞きます。

 

<終了しました>

講演会
■5月24日(土)内海愛子さん(恵泉女学園大学名誉教授)
「戦争裁判は植民地支配をどう裁いたのか 〜朝鮮人BC級戦犯から考える〜」       
講師の内海さんは、1970年代から韓国・朝鮮人BC級戦犯者問題に取り組み、運動支援・研究の両面において被害当事者とともに歩んできました。捕虜収容所の実情とは?そして戦争犯罪裁判は何を裁いたのか?今回の企画展の基礎となる講演です。ぜひ、共に学びましょう。  
内海愛子さん:同進会を応援する会(2006年発足)代表。1970年代から韓国・朝鮮人BC級戦犯問題に取り組み、運動支援・研究の両面から被害当事者と歩んできた。著書に『朝鮮人BC級戦犯の記録』(1982年勁草書房、2015年岩波現代文庫)、『キムはなぜ裁かれたのか―朝鮮人BC級戦犯の軌跡』(2008年朝日選書)ほか。

■6月14日(土)小塩海平さん(東京農業大学教授・農学博士)
「朝鮮人捕虜監視員が動員された日蘭戦争を考える」
 日本は3年半にわたってオランダ領だったインドネシアを占領しました。2か月足らずの戦闘後、捕虜となった人たちとその監視員の運命は? 長く長く続いた「戦争」について考えます。
小塩海平さん:20代の頃から韓国・朝鮮人BC級戦犯者支援運動に加わり、元戦犯者やその家族、捕虜・抑留者との丁寧な交流と調査を続ける。著書に『BC級戦犯にされたキリスト者』(2022年いのちのことば社)、共訳『忘れられた人びと―日本軍に抑留された女たち・子どもたち』(1998年梨の木舎)ほか。

ギャラリートーク
第1回 畠谷吉秋さん(元BC級戦犯・金完根さんご子息) 
5月17日(土)14:00~15:00 

今回の企画展では、元戦犯者の金完根さんがオートラム刑務所で使っていらしたタオルと手帳を展示しています。
同進会副会長の畠谷吉秋さんが、父・金完根さんについて語ってくださいます。

関連企画
5月10日(土)10時〜13時
「朝鮮ゆかりの歴史散歩」春のフィールドワーク
“池上本門寺にBC級戦犯慰霊碑を訪ねる”