2018年企画展
画員たちは どんな絵を描き残したか
朝鮮通信使随行画員展
2018年12月5日(水)~2019年2月3日(日)
開館時間:12:00~17:00
会場:高麗博物館展示室
休館日:月曜・火曜
入館料:大人 400円、中高生 200円
日本の通信使にゆかりのある自治体などでつくる「朝鮮通信使縁地連絡協議会」(縁地連)と韓国の「釜山文化財団」が歴史資料111件、333点を共同で申請しました。
「それは、朝鮮通信使が持つ平和友好の普遍的価値を世界の人々と共有したいからにほかなりません。 朝鮮通信使は当時日朝両国が対等の関係で互いに相手の立場を理解し、武力を用いず、話し合いの努力を重ねて実現できたものであり、その結果、17世紀から200年間にわたり平和を維持できたものです。その後の20世紀はどうだったのでしょうか。20世紀は戦争の時代と言われ、戦争によって多くの尊い生命や、人権、そして環境までが失われました。いまだに世界各地で紛争やテロが絶えることなく起きています。失われたものを回復する21世紀になるためにはユネスコ憲章にあるように「戦争は人の心の中でうまれるものであるから、人の心の中に平和の砦を気付かなければならない」とあります」と縁地連協議会理事長の松原和征さんは述べています。
また登録韓国推進委員会共同委員長である釜山文化財団代表理事柳鐘穇さんは「1607年から1811年までの12回にわたって朝鮮通信使が往来した200年あまりのあいだは、日韓両国間で戦争がなく平和な時代でした。隣接した国家間でこのように長い期間、戦争がなかったのは世界史的にも珍しいことである」と述べています。
2017年10月31日にユネスコの「世界記憶遺産」に登録されました。
「アンネの日記」、「ベートーベン第9交響曲の直筆楽譜」、「カール・マルクスの資本論初版原稿」などと並んでユネスコ世界遺産に登録された「朝鮮通信使に関する記録」。日本では、「上野三碑」、「山本作兵衛炭鉱記録画・記録文書」、藤原道長の「御堂関白日記」、「東寺百合文書」が登録されています。
世界の遺産になり、これからの歴史を創造していく世代の財産にすることが可能になりました。両国の国内でも専門の研究者や一部の地域などの財産ではなく、該当する地域の市民たちが地域の物語をより知る機会が大きくなりました。
江戸時代260年間、日本と平和的な友好関係の象徴として12回にわたって朝鮮通信使が来日しました。そのたびに、朝鮮を代表する画員が随行し日本人との豊かな交流がありました。記憶遺産に登録されたもののなかには、かれらが日本で描いた絵や朝鮮で描いた絵、日本の画家が描いた絵もあります。
高麗博物館では2013年に「朝鮮通信使随行画員展—画員たちはどんな絵を描き残したか」を開催しました。今回、世界記憶遺産登録にちなんで改めて展示しますのでぜひご来館ください。